初めまして、みやけんと申します!
私は、がんの一種であるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を患う27歳男性です。
そのDLBCLに対する抗がん剤治療が、明日から始まります。
これに際して、私は闘病記を残しておこうと思っています。
そしてこの記事にたどり着いたあなたも、
ご自身や身近な人ががんになったのだと思います。
がん闘病記を読むことももちろん一定の効果があるのですが、
がんの闘病記は、書いてこそ効果があります。
ただ、なかなか面倒だったり、書き出すのが恥ずかしかったりしますよね…。
そこで今日は、私が闘病記を書くにあたって考えた、
がん闘病記を書くメリットについて整理します。
ぜひこの記事をお読みになり、
ご自身やその周りの方に「闘病記を書こう!」という気持ちになっていただきたいです。
がん闘病記を書くメリット3選

大きくは、以下の3つです。
①頭の中を整理でき、がんの不安を解消できる【自分向け】
②支持療法に役立てて、闘病期間を快適にできる【自分向け】
③がん治療の不安解消に活用してもらえる【似た境遇の方向け】
①頭の中を整理でき、がんの不安を解消できる
闘病期間中は正直かなり気持ちが落ち込んで、いろいろ考えたり悩んだりしてしまいます。

どんな副作用が出るのか?治療は効果があるのか?
再発するんじゃあないか?死亡率は?など、
悪いことばかり考えてしまうんですよね…
しかしその大半は、「考えてもどうしようもないこと」です。
治療効果は、治療の終了後にPET-CT等の検査結果を見ないと結局わかりません。
再発のことを治療中に考えても何の役にも立ちません。
5年生存率が80%でも20%でも、それはあなたではない誰かの情報でしかありません。
一方で、考えるべきこともあります。
それは、行動をどう変えるかを考えることです。
たとえばセカンドオピニオンをするかしないかを考えることは、非常に有意義です。
免疫力を高めるためにどう行動すればよいかを考えることは、非常に有意義です。
人生をどうやって豊かにするかを考えることも、非常に有意義ですね。
これらの「考えてもどうしようもないこと/考えるべきこと」の整理は、
頭の中で案が得ているだけではなかなか難しいです。
ぜひ頭の中で考えていることを文字に書き出して、
「これは行動を変えることにつながる」「これは行動を変えることにはつながらない」を整理し、
明るい気持ちで次の行動を選んでいきましょう!
②支持療法に役立てて、闘病生活を快適にできる

考えていることを書き出すのは難しいし手間だ!という方もいらっしゃると思います。
そんな方に意識していただきたいメリットが、この②です!
支持療法とは、「がんそのものに伴う症状や治療による副作用に対しての予防策、
症状を軽減させるための治療のこと」です。(出典:国立がんセンターがん情報サービス)
例えば、抗がん剤の副作用として吐き気が予想されるので、
前もって吐き気を抑える薬を飲む…ということですね。
しかしこの支持療法は、副作用がうまく予想できないと効果的には行えません。
抗がん剤の副作用は多岐にわたるし、いったいどうすればいいんだ…ということになりますね。
ここで注目したいことは、抗がん剤治療は周期的な治療であるということです。
1周期目で現れた変化が2周期目以降も起こりやすいため、
2周期目以降の副作用を予想しやすいのです。

例えば、1回目の投与の時にすぐに吐き気が出たような場合には、
2回目以降の投与の時にも吐き気が出ると予想できます。
なので、治療に伴って現れた変化を記録しておくことで、
次回以降に出るであろう変化に対して先手を打って対策できる、
つまりよりよい支持療法を行うことができます。
よりよい支持療法を行うことができれば、抗がん剤治療のつらさを劇的に軽減することができ、
闘病生活を快適に過ごすことができます。
③がん治療の不安解消に活用してもらえる

①②では、「個人的に書き残して個人的に読む」場合のお話をしてきましたが、
最後に「ほかの人に読んでもらう」場合、特にブログとして公開する場合のお話をします!
今は本当にすばらしい時代で、ネットで多くの情報が得られるようになってきました。
しかしその弊害として、「恐ろしい情報が多すぎる」のです。
特に抗がん剤の副作用は、可能性が低いものも高いものもいっぺんに書いてあることが多く、
すべての副作用が自分に出るんじゃないかという不安に駆られるんです。少なくとも私は…。

冷静に見てみると、「下痢」と「便秘」など、
同時には起こるはずがないものが並んでるんですけどね。
そこで、あなたが実際に体験した副作用を書き残しておくことで、
「実際どーなのよ」という部分を共有できるのです。
私はこういう副作用が出たということを実例として知ることができれば、
そしてそうした実例が多く集まれば、読む人の不安が必要以上に煽られることはなくなり、
純粋に不安解消のツールとして、闘病記を活用できるようになるのです。
補足|「日記調」の闘病記にこそ意味がある
ここまでお読みになった方の中には、
「私が書かなくても、がん闘病記を公開しているWebページとかいっぱいあるでしょ」という方も
いらっしゃると思います。
これは完全におっしゃる通りです。多くの方が書いた闘病記を見やすくまとめているサイト、
患者の声を紹介している病院のサイトなどはすでにたくさん存在しています。
ですが、そうした「うまくまとめられた」闘病記ではなく、
「日記調」の闘病記であることに大いに意味があります。
それは、より共感を生むということです。
がん体験記まとめのサイトは、治療中や治療後のある時点での考えを書きます。
さらに医療機関やサイト運営者からの依頼に応える文章なので、しっかりした文章が多いです。
しかし、闘病記を読みたい人は、そんなしっかりした文章が読みたいのでしょうか?
少なくとも、僕はそんな文章を読みたくはないです。
先が見えない状況で、不安に駆られつつ検査し、日々を耐えている自分が
心の底から共感できるような、日々のナマの叫びを読みたいと私は思います。
それは、ある時点で冷静に振り返って書く文章ではダメなのです。
叫びをありのまま、日記のように自分の言葉で書いてあるものがいいのです。
ぜひ、あなたの貴重な体験を、あなたの言葉で書き残してください。
そして私に読ませてください…!
まとめ|1コース目だけでも、書いてみませんか?

ここまで、がん闘病記を書くメリットについて書いてきました。
再掲しておくと、以下の通りです。
①頭の中を整理でき、がんの不安を解消できる【自分向け】
②支持療法に役立てて、闘病期間を快適にできる【自分向け】
③がん治療の不安解消に活用してもらえる【似た境遇の方向け】
書く媒体としては、紙のノートや手帳に書くのもよいと思います。
TwitterやfacebookなどのSNSでも、始めやすくていいと思います。
私と同じようにブログにするのも、後から見返しやすくてよいと思います。
ぜひ、あなたに合った方法で、闘病記を書いてみてくださいね。
そして1コース目だけでもお書きになることを、心よりおすすめします…!
それではまたー!